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遺体を探す裏側で…

台風がすごかったので、そろそろ遺体があがっていることかもしれないと思い、宮城県警のwebや女川町のHPをたまにチェックしています。

最近よく耳にするのが、「DNAで照合して発見できた。ホントはずっと前に遺体が上がっていたのに、写真も沢山見ていたのに探せていなかった」という言葉です。もしかして私もその一人かもしれないと焦ったりもします(焦ってもしょうがないんだけど…)。

そこで感じた事。
たくさんの遺体を回収し、検死をし、管理をする人がいます。泥だらけの衣類を洗ってくれ、写真を撮ってくれる人がいます。それをデータ化し整理してくれる人がいます。そこに集まる遺族に優しく声をかけ、探すのを手伝ってくれる人がいます。

一方で、私たちは見たくもない無数の写真をめくり続け、自分の親の姿を捜すだけ。なかなか見つけられないことに苛立つこともあるし、資料写真がヒドすぎて具合が悪くなることもあるけど、こうして裏方でがんばってくださる方々がいるからこそ、両親を捜す事ができるのです。

以前「亡くなった方にも尊厳がある。遺体捜索に全力を…」という新聞記事を見たけど、実際に(特に最初は忘れられません!)遺体安置所へ行き、無数のファイルを目の前にした時には愕然としました。「これだけの量に対して尊厳とか言ってられないよ、まとめるだけでも大変だよ」と内心思いました。

だけど、この作業を黙々とやってくださる方々がいるんです。今になってこの丁寧さを見ると、ちゃんと1人1人に人間としての尊厳を与えてくださっているんですよね。

その方々に感謝せずにはいられない。人を影で支えるということがどんなに大変なことか。きっと中には家も流され、大事な人を失った方もいると思います。日常の裏側で、こんなに辛く大変な仕事をしてくださる方がいることを、もっと知ってもらいたいです。そして見つけたときには「ありがとう」という気持ちを伝えていただきたいと思っています。ちなみまだ私の両親はみつかっていません。
by monchicamera | 2011-09-27 12:56 | 311とその後
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