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成人式に行かなかった思い出

今週末は全国各地で成人式(写真館関係のみなさまお疲れさまでした!)だった。各地のニュースを見ると、久しぶりの再会を喜んだり、笑顔での成人式の様子が報じられていた。

自分の20歳の頃を思い出している。その年の成人式は大雪で、東京でも雪が降った。最初から女川の成人式に出席するつもりもなく、雪が降って内心ホッとした。行かない理由が明確だもの(笑)

実は、母親が張り切って数百万円する着物を用意しそうなのがイヤで(姉の時はそうだった。そんなお金があるなら憧れのハッセルを買ってもらいたかった)、それを阻止しようと、成人式に出ない事に決めたのだ。今思えば、バカな子供だった。

昔から団体行動が苦手で、故郷への愛着もそんなになかったので、自分としては、成人式に行く/行かない事は別にどーでもよかった。同級生と会ってみたいなぁと思ったけど、20歳の節目とか、そういう行事を他人と誓ったり祝ったりということも面倒だなぁとも思った。いつもと同じように暗室でプリントをしながらその日を過ごしていた。そしてお酒を少しだけ飲んだ。他人と交わらない自分がカッコイイと、そう思っていた。そんな20歳。
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それが、14年経って故郷に毎月通っているから、人間は変わるのである。

20代半ば、海外で暮らすようになってから、故郷が愛おしく感じるようになった。そしていつか故郷に帰って、故郷の役に立つことをしたいと思うようになったけど、それは具体的に何をしてよいのか分からなかった。

震災が私をぐっと後押しした。故郷の人たちとたくさん会話をし、自分を育ててくれた故郷に恩返しがしたいと思うようになった。それはやっと私自身が「大人になった」と言えるだろう。

新成人がたくさん集まった女川の成人式をニュースで見て嬉しくなった。この20歳たちが同じように故郷のことを愛してくれたらいいなぁと思う。参加しなかった20歳にももっともっと故郷を想ってもらいたいと思う。
by monchicamera | 2012-01-10 00:10
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