続・女川マダム その2

このマダム企画において、私の中でルールが1つだけある。
それは撮影後に簡易プリントを渡す時「家族に見せてあげてね」とは絶対に言わないことだ。なぜなら家族や旦那さんを亡くした人も多いし、一人暮らしのマダムも多いから。だが今回はちょっとだけ考えが変わったプチ事件があった。
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「今日の写真はとってもステキだから、仏壇に飾って夫に見てもらわなくちゃ」とマダムが言った。仏壇?まだ早いんじゃないの?と私は不思議に思ったら、次にマダムが「だってぇ〜、こんなに美人にしてもらったから旦那に見せたいのよね〜」と言うではないか。年を重ねても乙女心は消えないのである。そのマダムがとても愛おしく感じた。「今夜は旦那さんが夢に出てくるかもね」と私は笑いながら答えた。するとマダムは「夢の中で褒めてくれるならいいけど、なにやってんだ?と言われちゃいそう……(笑)」と照れていた。

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マダム企画の締めくくりは、女川恒例の漬け物攻めに遭うという…。お茶のお供には必ず各家庭のオリジナル付けものが出される。あるマダムがメイクと写真のお礼といって自宅(すぐ隣の仮設が自宅)から持ってきてくれた。そしてみんなで談話しながら、マダム特製の白菜古漬けを食べた。

女川の人たちは基本的に「ギブアンドテイク」じゃないとイヤがる。だから写真のお礼・メイクのお礼だと言って、色々と差し入れを持ってきてくださる。ヨーグルト、ジュース、漬け物。組み合わせが変だけど、その気持ちが充分嬉しい(笑)

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今日のマダム達は年齢層が高いせいか「遺影」としての意識も高かった。自分の納得するポートレートを撮影してもらうというのは、案外重要だと思う。死ぬ死なないは別にして、どんな人でも5年に一回は撮影するといいなぁと思う。気軽にポートレートを撮る文化がもっともっと日本に根付いて欲しい。そういう事を父はずっとやってきた。私が今それを継承しようとしている。女川のマダム達に助けられている。
by monchicamera | 2012-02-28 11:36 | 311とその後
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