女川 五部浦地区その1

女川の南に位置する五部浦地区。リアス式のくねくね道路から降りて来た先で、ぐ〜んと視界が広がる砂浜がある。大石原だ。この瞬間の海が広がる景色が大好きだ。ガソリンスタンドが目印。昔は人口も多く、ここに小学校もあった。観光客が泳ぐビーチではないが(地元の子供が夏休みにたまに泳いでいたりするけど)、震災前の浅緑色に輝く海の色はとても美しかった。

震災前2007年8月撮影
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そして震災後2012年5月撮影
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地震により道路が1m下がったために埋め立てしたと思われる。防波堤の位置は変わらない。干潮だけど海がすごく近く感じる。ビーチが消滅しているのが写真でわかる。

野々浜(ののはま)には、茶色くさびた車が砂浜に打ち上げられていた。写真を撮ろうと思ったが、先客がいて(しかもシノゴを構えた若い男性だった)撮るのをやめた。震災から1年2ヶ月が経ち、私が撮るテーマとしているものは「被害の様子」ではなく「復活する人の様子」である。津波の爪痕を追うのは自分自身がつらくなるのであまり追わないことにした。


そのまま南下し、飯子浜(いいごはま)へ。
ここには、よく泳ぎに来ていたビーチがある。小さな岩の砦のような島を目印にしていたのですぐにわかった。このビーチに横たわり波の音を聞くと、メキシコでの旅を思い出す。メキシコの太平洋岸プエルトアンヘルやワトゥルコでは、クルーズ船に乗って小さなビーチを回るエコツアーをやっていた。将来的に女川でもこんなことをやったらいいのになぁ〜と数年前までは思っていたが、こんなにも砂浜がなくなり、海水浴も観光も厳しい状態になる日がくると思わなかった。
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まるで映画のセットのように道路が落ちていた。実際に歩いてみるとアスファルトがポロポロと足下から崩れてきたので、砂浜に降りることを断念した。漁網がひっかかったままの姿が、淋しさを醸し出していた。
by monchicamera | 2012-05-23 23:00 | 311とその後
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