鎮魂歌

仙道作三さんという作曲家がいる。日本古来の民俗学を研究しオペラにするという、ダイナミックな曲を生み出す作曲家だ。女川にもゆかりがあり、高村光太郎のオペラを作曲している。女川で毎年夏に開かれていた「光太郎祭」では毎年女川へ来てくださり、オペラを披露してくださったり、地元の中学生と合唱のコラボなどもしていた。女川の文化向上にとても貢献した方だ。女川の海岸には、大きな石に彫られた光太郎の文学碑があった。いまはどこかに保管されているのだろうか(実は私もその行方を知らないのだ…)

f0044846_918336.jpg
今日はその仙道作三先生のコンサートへ行ってきた。震災後に完成した彼の鎮魂歌は、東北に眠る民族のリズムを刻み、海から山へと駆け上り、魂が天昇する曲だった。東北の民俗学ルーツをわかってらっしゃる方が命を紡いで描いた曲だと感じた。先生は秋田県羽後町の出身で、私の母と同郷である。里山で少年時代を過ごしたそのDNAが彼のメロディーの奥底に刻まれている。「ぼくは、熟成チーズのような人だからねぇ〜」といつも気さくに話しかけてくださる。海で育った私とは「何かが違う」のだが、広い意味での東北のリズムというものは、東北で生まれ育った者にはとても心地よく懐かしい音を刻むのだ。

f0044846_9145743.jpg先生が震災後に東北各地を巡って書き記した本も発売された。「東北・大地をゆく」というタイトルには、まさに先生の根底にある東北魂が表れている。東北といえど面積は広い。その土地によって山岳信仰があったり、海神信仰があったり、様々な文化が混じり合う。人々がいかに自然とともに暮らして来たのか、そのルーツが作曲家というフィルターを通して語っているのが興味深い本だ。こちらは全国の書店やネットでも購入できる。ぜひ読んでいたいただきたい。http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-37326-2/
by monchicamera | 2012-07-27 09:19 | 311とその後
<< Yui 最新号 シーフードショー2012を終えて >>