女川を案内する

先週はポートレート・アカデミー・オブ・ジャパン(PAJ、旧「印画紙研究会」)で松島へ行っていた。日本有数の、ポートレートに長けている写真館やフォトグラファーが集まる会で、60分の講演をさせていただいた。通常は学会のような形式で発表があったりするらしいが、東京ではなく地方で開催(しかも被災地である松島での開催)ということもあり、「震災からこれからの写真館像」というテーマで話をさせていただいた。今回集まっている会員は写真館の仕事を良い意味で逸脱している方が多く、私がテーマとしている「地域との関わりを大切にしたい」「ポートレートの文化を日本に広めたい」という点において、共通した見解をお持ちの方が多いと感じる、有意義な時間だった。

2日間の会合の後、「女川へ行ってみたい」という方々を引き連れ女川へ向かった。メンバーは徳島、香川、新潟、茨城、東京、仙台……と全国さまざま。松島から、野蒜駅、石巻港、門脇小学校、渡波と進み、女川へ。まだ津波の痕跡が残る場所をわざわざ探すようにして進んだ。

まずは我が家の跡地へ。このうちの2人は震災直後に女川へ来たというが、すっかりなくなってしまった跡地に立ち、呆然としていた。ちょうどその足元に、偶然にもお客さん用の緑色の湯のみが1つ、砂利に混じって顔を出していた。両親ともに歓迎してくれていたのだろうか。見覚えのある湯のみを見つめ、ゆっくりと、あの日のことを話した。

その後は、女川にある、日本一頑張ってる蒲鉾屋に案内し、世界一美味い焼肉屋に連れて行った。ただそれだけ。観光という名にはまだふさわしい町にはなっていないが、誇れるものは沢山ある。見て感じてもらうことはたくさんある。しかも四国の方が2人いたので、特に津波のことを伝えておきたかった。この町を20mの波が飲みこんだこと、そしてその中で生きて行く覚悟をもって頑張っている人たちに会ってもらいたかった。

今回来た写真家のみなさんは、「女川が好き」「また来たい」と言ってくださった。その言葉がまた女川を強くしてくれるんだと嬉しくなった。

女川に来てくれてありがとう!
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by monchicamera | 2012-09-12 21:47 | 311とその後
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