人間力 〜「いろどり」立木写真館から学ぶ〜

先日女川へ、徳島の立木写真館の立木さとみさん来てくださった。さとみさんは代々続く写真館の5代目であり、先代たちがそうしてきたように徳島の地域の方々と深く関わっている(ここで少し立木写真館について触れておくと、1980年にNHK朝ドラ『なっちゃんの写真館』のモデルとなったといえば、わかる方も多いだろう)

その5代目である さとみさんを中心に立木写真館のスタッフ達は、「葉っぱビジネス」を始めた農村のおばあちゃんたちに寄り添いながら取材撮影を重ねてきた。それが2006年、写真集「いろどり」となった。写真館が自費出版する例は珍しく、しかも初版一万部完売となったそうだ(現在は第二版が発売されています)。この撮影はおばあちゃんたちの励みにもなったであろう。そして何よりも地域の方が喜んだに違いない。このような形で写真館が地域において貢献できることは、とてもステキなことだと思う。

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立木写真館といえば、写真家の立木義浩さんの作品「親と子の情景」シリーズは、私の好きな写真集の1つだ。義浩さんはさとみさんの叔父にあたる方である。人物に対しての取材の仕方、撮影の仕方、特に被写体との距離感がとても素晴らしい。写真を見ているとまるでそこに楽しげな会話が聞こえてくるような感じがする。

この感覚が写真集「いろどり」にも存在するのである。おばあちゃん達との会話が聞こえてくる様な、そんなポートレートが心地よい。実際にさとみさんにお会いしてみて感じたのだが、彼女の寛容な人柄、そして相手の魅力を引き出す力、洞察力などがとても優れている方なのだ。「いろどり」を見ていると、またしても「彼女にしか作れない写真集」なのだと気がつく。立木写真館の技術なのだろうか、それとも立木家に伝わる伝統的な会話術みたいなものがあるんだろうか…。これはきっと写真館ならではの「人間力」なのだろうと思う。地域に根ざしてこその人間力。女川の復興のヒントになると感じた(そのさとみさんが、私の本をわざわざ女川商店街で購入してくださった!とても嬉しい♥下の写真は図々しくサインする私である、笑)

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この「葉っぱビジネス」のお話は、映画化される事になった。ちょうど、9/15(土)から全国で上映している。みなさんもどこかで聞いたことがあるかもしれない。料亭などの日本料理に彩りを添える「つまもの」を、70〜80代のおばあちゃんたちが売ってみよう!と商売を思いつき、2億5千万円も売り上げるようになったというストーリー。失礼な話だが、人口2,000人の田舎町にこんなビックビジネスチャンスが到来するとは……、ほんとに夢の様な話であり、田舎に活気を取り戻す(しかも自分たちの手で得た幸せなのだ!)ということに感動する。これこそが「人間力」であると私は思う。

映画の方も、ぜひ見ていただきたい。

映画『人生、いろどり』公式サイト
http://www.irodori-movie.jp/
by monchicamera | 2012-09-17 17:33 | 311とその後
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