ガリシア地方にある「女川」へ行く

10月1日から8日までスペインへ行っていた。ガリシア地方にあるCEEという町を訪れるためだ。ガイドブックにも載らないこの町に来たかというと、女川そのものだからだ。女川と同じようにリアス式海岸の入江に開けた町であり、人口7000人、湾の形や高低差もそっくりである。女川のこれからの復興計画へのヒントに大きく応用できるであろうということで、女川の同級生と共に視察へ行くことにしたのだ。どんな役に立つか分からないけど「とにかくヒントを得たい!」という気持ちが先立った。そしてgoogleマップでCEEの町を見つけた時に「ここだ!女川と同じ湾の形をした町がこの世にあるならば行くしかない!」と直感的に思ったのだ。

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CEEを訪れてみて感じたことは、CEEもまた捕鯨文化があったことだ。町には鯨のモニュメントが飾られ、浜辺は潮干狩りシーズン真っ最中で、せっせと働く「おっかさん」はどこか女川を思わせる。町を歩けば、遊歩道や屋根はスレート石を多用している。週に6日も魚介類を食べるらしいが(週に一度は禁漁日で新鮮な魚が捕れないため、火曜日は食べないらしい)、いかにも漁村的であり、食材へのこだわりや誇りを感じられる。まさに、ガリシア版女川である。

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話は変わるが、女川は今回の震災で1メートル地盤沈下している。毎日満潮になると冠水し、台風の度に町中が水浸しになるため、計画では5メートル地盤をあげる予定だ。「一体どんな風になるのだろう?」と、最初にこの計画を聞いたとき、私は正直戸惑いを隠せなかった。自分の育った美しい町が津波で消滅したにもかかわらず、大規模な工事によって自分の家がコンクリートの中に埋もれるなんて理解できなかった。

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だが、このCEEに来て、5メートル地盤底上げするということが、イメージできる景色に出会えた。水面から1メートルの高さには遊歩道を、5メートルの高さには商業施設や広場など人が集う場所がある。地形をうまく活かし、山側に沿うようにテラスハウス型の住宅がある。美しい海岸広場に人々が集う様子。子供からお年寄りまで、みんな幸せに暮らしている。それはまるで10年後の女川を描いている様だった。
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by monchicamera | 2012-10-09 22:39 |
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