もう1つのサイパン島

サイパンの別の景色を私はずっと忘れないでしょう。

みなさんは「バンザイクリフ」「スーサイドクリフ」という名前を聞いたことがあるでしょうか?サイパン島の最北端に位置し、太平洋戦争で「日本軍が自決した場所」として知られた所です。双方あわせて約1500人の命が亡くなったそうです。

私は場所の名前を聞いたことはありましたが、実際に行ってみるまでは、どんな場所か知りませんでした。最北端にあるということは、島の中で一番日本に近いということ。資料の多くは「日本軍が追いつめられて自決した」と書かれていますが、それだけだったのでしょうか? 私は「死ぬなら日本に近いところで死にたい」と思ったのではないか、という気がしてなりません。

太平洋戦争で亡くなった方の遺骨収拾をしている野口健さんの著書にも書いてありますが、頭蓋骨の向きや遺品の向きなどから「必ず日本の方角を向いて亡くなっている」ということが分かるそうです。

日本へ帰りたいという想いがどれほどだったのか、と思うと胸が苦しいです。
f0044846_20352043.jpg

白い棟が建っている写真が「バンザイクリフ」という岬です。そこには慰霊碑がたくさん建っています。私たちはまずここにお線香を携え、手を合わせてきました(新郎も旦那も、サイパンへ来ると必ず仕事の前にここを訪ね、手を合わせてからロケに向かうとのことでした)。

f0044846_20351888.jpg

もう一枚の車が映っている写真を見てください。
後ろにそびえ立つのは「スーサイドクリフ」という崖です。ここからも多くの日本兵が飛びこんで自決したと言われています。それを目の当たりにした米兵たちは「日本には敵わない…」と精神的ショックを受けたらしいとの話を聞きました。どちら側にもメリットのない戦争のむごさです。

澄みきった青空の下でこうして感じている間に、たくさんの観光客がバスから降りてきて、手を合わせることも無く、眺めの良い海で記念撮影をして、バスで帰っていきました。
f0044846_20352242.jpg

一方で、時を同じくして、中国・四川では大地震で苦しんでいる人がいたんですよね。また、海の向こうシリアでは、戦争で毎日たくさんの市民が犠牲となっているのも現実です。人間の命ってなんなのでしょうね。どんな想いで最後を迎えたのか、と思うと悔しいです。

私は戦争に対しての議論をする気は全くないですが、国籍も問わず、死に方も問わず、念が残っている死者に対して、せめて手を合わせたいということを思いました。

私にできることは、訪れた場所について、みなさんに写真や文章で伝えることしかできません。うまく言えないんですが、私がサイパンで感じた景色を少しでも知ってもらえたら…と思います。
by monchicamera | 2013-04-20 20:35 |
<< おかせい 石巻C&C蛇田バイ... サイパン・ウェディング >>