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ルイス・イリサール1日目

午後はルイス・イリサール料理学校の授業がスタート。今回の旅の最大の目的です。
7/21,22,23の3日間、スペインの魚料理のみを勉強するコースです。

この料理学校は世界的にも有名で、スペイン料理を学ぶためにプロを目指す人たちが2年間通う学校です。通常は9月からスタートし、2年間学ぶことになっているのですが、7月〜8月は学校がお休みのため、「料理教室」を開催しているのです。
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参加者の多くは「料理が好きな人たち」です。プロも入れば、主婦もいれば、料理専門のジャーナリストもいます。今回は10名集まりましたが、ビルバオやマドリードなど国内からの参加者がほとんど、フランスやアメリカから来た青年もいました。授業はスペイン語ですが、実習が主なため、そんなに言葉の壁は感じません。

私が今回参加しようと思ったのは、「スペインの本場の料理を習いたい!」ということでした。味付けとか盛りつけとか、そういうのを想像していたのですが、今日の授業は「魚を捌く」ということに特化しています。

下ごしらえに使うたまねぎを全員で切りながら、という妙なシチュエーションで、自己紹介を開始。せっかく覚えたスペイン語でしたが、容赦なくスピードの速い自己紹介を聞き取るという作業とタマネギを切るというミッションは両方一度にこなせなかったことが悔しいです。

そして、私たちの番。一緒に参加している友達が代表して喋ってくれました。
「私たちは、日本の北にある漁村からやってきました。バスクのような素晴らしい文化を持っている町です。2年前の津波で町が壊滅しました。魚の町として復活していくヒントを得るために、今回の料理教室に参加しています。多くのヒントを得て、故郷に貢献したいと思っています」

参加者のみなさんは、とても真剣に聞いてくれました。
中には「いつか君たちの町を訪れてみたい。どんな美味しい魚が食べられるのかな」と言ってくれる方もいました。
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そして実習スタート。
いきなり出てきたのは「あんこう」です。
スペインでは、あんこうは定番の魚でよく食べられます。かといって、一般家庭でもなかなか捌いたりしないだろうし、私自身初めて体験します。参加者も食いつくように見入ってました。

見たことのない鉈(なた)みたいな包丁とか、ハサミで魚を捌いて行きます。そうです、ハサミをよく使うんです!

あんこうの他にも、カツオとか、金目鯛みたいなやつとか、他の魚も捌きましたが、日本の捌き方と違って、正直な所、あまりキレイだとは思えなかったです(苦笑)というのは包丁があまりにも切れないんです。研ぐという作業をあまりしないのか、ここの教室においてあるものがそうなのか?(いや、先生は問題なくやっていたから、プロでも包丁はあのレベルのような気がする)
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逆をいえば、日本の魚を捌く技術には美学があり、パーフェクトな作業だと感じました。出刃一本で美しく捌く。これは世界においても、誇るべき日本の文化だと思います。

考えてみれば、女川人の私たちには、魚を捌く光景は”当たり前”なんですよね。子供のころからよく見ている光景で、魚は最も身近な食材です。無駄なく美しく捌くことが、日常として存在していたんです。

だけど、スペインではやり方が違うし、包丁も種類も違うし、切れない(笑)しかも世界でも名高いバスクの料理学校で……です。これは別の意味で大きなカルチャーショックを受けてしまいました。
by monchicamera | 2013-07-22 16:01 |
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