バルセロナのパン

朝から吐き気がするのは、クリームパンのせいだ。

コーヒーにクロワッサン。スペインでの定番朝ごはんは意外にもシンプルだ。街角のパン屋で、甘いクリームパンを買い、エスプレッソを頼む。それが私の毎朝の日課だが、今日はどうやら失敗したようだ。選んだパンのラード成分が多かったのだ。
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「パンにラード?」と疑問に思うかもしれないが、スペインの焼き菓子や揚げ菓子にはラードを使うことが多い。スペイン料理にはこの国の複雑さが隠れていて、ラードの関係を紐解くと、歴史が見えてくる。

イスラム支配時代には食べられることがなかった豚肉。すなわちラードもハムも存在しない。レコンキスタによって、キリスト教徒がイスラム教徒を追い出した後、広まったのは豚肉である。知っての通り、豚肉は余すところなく食べられる。そんなわけで、揚げパンやデニッシュ系にはラードが使われたりするのだ。

今朝の不発のもとは、この"隠れラードパン"のせいだ。鼻が効きすぎるせいもあるが、動物臭い肉が苦手な私はラードも苦手である。

昨日の朝食はポメロのパンだったから、幾分かはフルーツの酸味でラードを感じずにすんだが、今朝のパンはどうしてもダメだった。

スペイン料理を研究していくと、イスラムの影響を受けていることが多い。ナッツを多様に使ったり、香辛料をうまく取り入れるのもイスラム文化の名残りだ。とくにアンダルシアなど南へ行くと、その調理法が顕著に表われ、イスラム支配のなかったバスク地方にはこうした食文化がない。

朝ごはんで、こうしたスペインの歴史を感じるとはやれやれだ。
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by monchicamera | 2013-07-28 10:21 |
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