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続・女川マダム その2

このマダム企画において、私の中でルールが1つだけある。
それは撮影後に簡易プリントを渡す時「家族に見せてあげてね」とは絶対に言わないことだ。なぜなら家族や旦那さんを亡くした人も多いし、一人暮らしのマダムも多いから。だが今回はちょっとだけ考えが変わったプチ事件があった。
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「今日の写真はとってもステキだから、仏壇に飾って夫に見てもらわなくちゃ」とマダムが言った。仏壇?まだ早いんじゃないの?と私は不思議に思ったら、次にマダムが「だってぇ〜、こんなに美人にしてもらったから旦那に見せたいのよね〜」と言うではないか。年を重ねても乙女心は消えないのである。そのマダムがとても愛おしく感じた。「今夜は旦那さんが夢に出てくるかもね」と私は笑いながら答えた。するとマダムは「夢の中で褒めてくれるならいいけど、なにやってんだ?と言われちゃいそう……(笑)」と照れていた。

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マダム企画の締めくくりは、女川恒例の漬け物攻めに遭うという…。お茶のお供には必ず各家庭のオリジナル付けものが出される。あるマダムがメイクと写真のお礼といって自宅(すぐ隣の仮設が自宅)から持ってきてくれた。そしてみんなで談話しながら、マダム特製の白菜古漬けを食べた。

女川の人たちは基本的に「ギブアンドテイク」じゃないとイヤがる。だから写真のお礼・メイクのお礼だと言って、色々と差し入れを持ってきてくださる。ヨーグルト、ジュース、漬け物。組み合わせが変だけど、その気持ちが充分嬉しい(笑)

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今日のマダム達は年齢層が高いせいか「遺影」としての意識も高かった。自分の納得するポートレートを撮影してもらうというのは、案外重要だと思う。死ぬ死なないは別にして、どんな人でも5年に一回は撮影するといいなぁと思う。気軽にポートレートを撮る文化がもっともっと日本に根付いて欲しい。そういう事を父はずっとやってきた。私が今それを継承しようとしている。女川のマダム達に助けられている。
by monchicamera | 2012-02-28 11:36 | 311とその後

続・女川マダム その1

2月24日(金)女川町多目的運動場にある仮設集会所にて、続女川マダム企画(すっかり名前が変わっちゃった?!)を実行。今回の女川マダム第二弾も大成功!こちらの集会所担当の菅野先生が事前にお声がけしてくださった経緯もあり、みなさんとても楽しみにこの日を待っていたようでした。
メイク講師は前回と同じ。美塾の講師が仙台から4名来てくれました。マダムの層は70−80代中心でちょっと年齢層が高かったかな。

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祖父の代を知る方も多く、祖父に婚礼写真を撮ってもらったとか…(何年前なんでしょうか?)80代だとそうでしょうね。ビックリするような話もあったけど、どの方も素敵でした。年の功と言いましょうか……、やっぱり女川の女性はパワフル!同じ女川町内でも場所が変われば楽しみも倍増!今日はたくさん笑わせていただきました。そしてたくさん泣きました。

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「メイクをしてもらう」ということは、肌に触れるという一種のスキンシップであり、される側はすーっと心を解放できる部分があると思うんです。もともと女川の人はフレンドリーですので、一旦気を許すと社交的に話し出すんでしょうね。仮設に住んでいると話さないような内容だったり(話す相手が居ない場合もあるでしょう)色んな話が飛び出します。


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今日の衝撃的な話は、病院で津波をかぶりながらも助かった83歳のマダム。「若い人が死んで、私みたいな年寄りが生き残ってしまって…」と言っていた。その場で私は何も答えられず、ただ彼女のリウマチになった手を握ってあげることしかできなかった。「あなたのようなマダムがいるからステキな写真作品になるんです」と言ってあげればよかったなぁと帰りの車で思ったのだが。マダムにとっては「話を聞いてもらう事」が重要なのかもしれない。自分の体験を若い世代に伝えたい、生きている喜びを誰かに肯定してもらいたい、そんな心境なのかもしれません。マダムは出来上がった写真を、穴があく程見つめてからポケットにしまい、嬉しそうに歩行器を押して帰って行きました。


女川にいると、不意打ちにこういう「九死に一生スペシャル的な話」が良く出てきます(続く)

追記:メイクシーンの様子と、体験談とは関係ありません。
by monchicamera | 2012-02-28 11:28 | 311とその後

ジュンク堂新宿店トークイベント

ジュンク堂新宿店にて、以下の内容でトークイベントをさせていただく事になりました。


鈴木麻弓写文集 『女川 佐々木写真館―2011年3月11日、その日から』(一葉社) 刊行記念 トークセッション 鈴木麻弓×高橋正樹
三代目と四代目が見つめ続けた被災地 女川の1年


■日時:2012年3月2日(金)18時30分 ~ (開場18時00分)
◇会場 ジュンク堂書店新宿店 8階カフェにて
◇定員 40名
◇入場料 1,000円(1ドリンク付き)
◇受付 7Fカウンターにて。お電話でのご予約も承ります。

お問合わせ先:ジュンク堂書店新宿店 電話:03-5363-1300
by monchicamera | 2012-02-23 23:25 | 311とその後

メイク企画 第二弾

女川の仮設集会所で大好評だった「マダムメイクシリーズ」第二弾が決定しました。

2月24日(金)12:30〜16:00まで
多目的運動場仮設集会所にて


対象エリアは、多目的運動場仮設、野球場仮設あたり。また対象エリアでなくとも「参加してみたいわ〜」というマダムはどなたでも参加できますよ!仮設/在宅問いません。女川町民(女性限定)なら誰でもOK。

内容は前回と同じ。参加費無料。メイクをして、写真が撮れます。開催時間内、好きな時間に来てください(所用30分程度)このブログを見ている方、また「実家のお母さんにやらせてみたいわ」という方も、ぜひ教えてさしあげてください。美塾スタッフ4名と、カメラマンが私、そして佐々木写真館電脳部(私の夫です)がお待ちしておりまーす。
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by monchicamera | 2012-02-21 23:48 | 311とその後

写真展のお知らせ

2012年3月8日(木)〜14日(水)10:00〜18:00(最終日14:00まで)
四谷ポートレートギャラリーにて
「復興願う二人の写真家 菊地信平・鈴木麻弓二人展」を行います。
入場無料です。
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今回私が発表する作品は、2011年6〜7月に撮影した「女川に生きる人のいま」の25名のポートレートと、新作「女川マダム」です(撮影秘話はこちら

開催予定日の前日、3月7日(水)18:00〜。同ギャラリーにてオープニングパーティーも予定されています。
by monchicamera | 2012-02-18 17:47

本の注文について2

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WEBでの注文は、現在2カ所。
ヤマトブックサービスに加え、e-honと、ビーケーワンでも予約受付開始しました。

ブックサービスでは、「ご注文の商品はお取り寄せに時間を要しています。今しばらくお待ち下さい」と表示されますが、予約受付中の意味だと思われます。

2/18現在、まだ本が出来上がっておりません(印刷製本中です)。発売日を迎えるまではこのような表示が出ると思われますが、安心してポチッとしてください。2月末〜3/1にお手元に届くと思います。

また、書店での申し込みですが、申し込み用紙に記入し「予約注文で」と、お近くの書店へお伝えください。発行部数が少ないので、通常書店で山積みになって売られるケースは少ないと思います(そもそも写真集というジャンルが日本では売れないしね)。大型書店では1〜2冊置いてもらえたらラッキーかなと(笑)基本的にはお取り寄せになり、1週間ほどで届くと思います。時間に余裕を持って注文していただければ…と思います。
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お取り扱いですが、女川梅丸新聞店、女川高政(本店のみ)、石巻ヤマト屋書店、ジュンク堂新宿店、逗子椿書房で扱っていただけることになりました。どうぞよろしくお願い致します。
by monchicamera | 2012-02-18 17:19

本の内容について

写文集の内容について、「どんな内容なの?」と聞かれることもあったので、目次を載せておきます。
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写真と文章で構成されています。ベースは写真集です。文章は震災直後からこの1年の活動を「写真館の娘」という視点で書いています。女川生まれ、女川で育った私が、この震災を受けて「自分がどう生きていくか」を自問し、「女川へ帰る理由」を探し続けるのです。

写真集のパートは、
 ・The Day,and After(震災後から町の様子)
 ・女川に生きる人のいま (6〜7月に撮影した25人のポートレート)
 ・二十世紀の匠達(父・佐々木厚撮影の船大工シリーズ)
を納めています。
by monchicamera | 2012-02-18 16:47

本の注文について

f0044846_0222390.jpg本の注文についての案内です。
 タイトル:女川 佐々木写真館
 著者名:鈴木麻弓
 出版社:一葉社
 価格:2000円+税

予約受付が開始しました。
発売は3月1日ごろを目安としております。

購入する方法として
 1.近くの書店に注文する
 2.ネット書店で注文する
の2つがあります。

個人的には、街の小さな書店で予約をしていただいた方が、本屋さんの存続にも繋がりますので嬉しいです。予約をすれば1週間程でお手元に届くと思います。

ネットで現在予約可能なのは、ヤマトブックサービスです。
コチラをクリック 送料無料です

なお、書店への注文は、こちらの注文書を印刷してお持ちいただくと便利です。
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by monchicamera | 2012-02-11 00:36

いよいよ写文集が完成します

私が撮った&書いた、初めての本が3月1日に出版されます。タイトルは「女川 佐々木写真館 2011年3月11日、その日から」です。一葉社から発売、税込み2100円。写真集とエッセイの構成です。
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この本に至るまで色々なご縁がありました。このブログを書いていた事も影響しております。出版社の目に留まり、写真集を出してみないかと誘われたのがきっかけでした。一葉社の和田さんは10歳まで過ごした女川をとても愛しておられ、女川のことを本にしたいと思っていたようでした。震災から立ち上がる人々や、私を育ててくれた女川の人々を描きたい、そして女川という郷土を知ってもらいたいと、私も常々思っていましたので、「是非やらせてください」と賛同しました。

f0044846_071092.jpg私は写真を10年以上やっておりますが、文章は素人です。だけど伝えたい事が山ほどあり、糸を紡ぐように、自分の言葉で綴ってきました。文章を書くというのはポートレート撮影と違って、相手が見えない分、書きづらい部分もありました。が、この1000年に一度と言われる震災に直面し、「自分が故郷のために何ができるか」と考えたとき、やはり「写真と文章で伝えること」を選びたいと思いました。

女川で育った私が描けるもの、そして私にしか撮れないものを、この11ヶ月意識してきました。これも、あの日両親に「写真家をやめない」と誓ったからできたのだと思います。本の中に25人のポートレートが出てきますが、この方たちとの出会いや繋がりも、私の支えとなりました。

そしてツイッターやブログ上でのたくさんの応援の言葉が、私の背中を押してくださった事も確かです。こうして出版までこぎ着けたこと、みなさまに感謝したいと思います。ありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願い致します。
by monchicamera | 2012-02-11 00:10

まさきくんのピアノ

女川に雅生(まさき)くんという自閉症の中学生がいて、その子が避難所でラジオ体操のピアノ伴奏をして人の役に立つことができたという話がニュースになりましたが、みなさんは知っていますか?
共同通信の記事はコチラ

その雅生くんのお母さんが書いた本「まさきくんのピアノ」が、ブックマン社 から来月発売されます。今回ご縁があり、いくつか写真を提供させていただきました。ちょっとだけ原稿を読ませていただきましたが、この本が面白いのはお母さんの独特の視点があること。女川に嫁に来て色んなことが起きるんですけど、それが実に女川らしい。自閉症のことを知ることができたし、何よりも雅生くんのキャラクターが愛らしいことに共感が持てる本でした。地域の人に支えられ、彼はどんどん成長していきます。

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私はまだ雅生くんに会った事がありませんが、彼の家は眺湾荘にあり、佐々木写真館の近くでした。きっと私の両親が、「おはよう」とか「おかえり」とか声をかけていただろうなぁと思うと、ものすごく身近に感じます。雪景色の眺湾荘を見つめながら、雅生くんの家はどのあたりだったのかなぁ?と思ったりしました。
by monchicamera | 2012-02-09 23:12 | 311とその後