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海のおともだち

今日はちょっと現実的な話をします。
メディアでは書かれないだろうし、遺体を探すのも大変だということを伝えたいから。そして同じ境遇の人にもがんばってもらいたいから書きます。興味のない方は飛ばしてください。

今日は姉と2人で利府へ「海のお友達」を探しに行きました(子供たちにバレないように、海で見つかった遺体をこう呼ぶ)。結論からいうと、今日もその中に両親は居ませんでした。

遺体を探す手順を説明すると(利府グランディの場合)、
1.初回は行方不明者の登録、身体的特徴などを記入
2.掲示板にあるリストから、特徴ある遺体の番号をメモする
3.警察がいる写真部屋へ移動してざっと探す(この際は顔がわかる範囲のレベルの遺体のみ)
4.その写真部屋にない場合、損傷が激しいランクについては警察官に相談して資料を見せてもらう
5.写真を見て確信できる場合のみ、本物を対面→確認できる

顔で判別出来るレベルだと、時期的にも今週が限界かなぁという印象でした。貼り出される写真をパッと見ただけで、親か否かはすぐにわかる感じです。今日は残念ながら他人ばっかりでしたが…。

判別出来ないランク(白いゴム風船みたいに膨らんでさらにホルマリン漬けみたい)は、誰がどうみても判別つかなくて、身長と性別で見るしかなく、歯型で確認かDNAで確認(時間はかかる)になります。歯型の場合はカルテを持ち込めば半日で調べてもらえますが、DNAの場合は一ヶ月ほどかかるようです。

今後の捜索のために、DNA登録してきました。スポンジ付きの棒を口に入れるだけです。今後の方針としては、遺体も生身で保存できない時期に来ているので、遺留品やDNAや歯型を確認したのち、火葬か土葬してしまうそうです。全ての遺体についてデータ化して、捜索願と一致させていくには一年以上はかかりそうです。

そういえば、今日ありがたかった話の1つ。利府の遺体安置所の、損傷が激しいランクの写真部屋にボランティアのおばさんが2人いて、その方たちに優しく声をかけていただき、一緒に番号をさがしてくださったり、心が救われました。警察に囲まれながら探すより、母親と同じ年齢のおばさん達の方が安心しますね。大変な仕事だと思うけど、本当にありがたかったです。

女川の「陸のお友達(陸であがった遺体)」のタイムリミットは今週中。来週から損傷の激しい遺体から火葬にするらしいと、女川にいる知人から聞きました(土葬も平行してするにかどうか不明)今週中になんとか陸も海も探すだけ探しておかないと…。
by monchicamera | 2011-04-18 23:14
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