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地域の防災

7/5(火)逗子幼稚園から「地域の防災」をテーマとした講演会が催された。私はゲストとして招待され、女川写真とともに津波の恐怖を伝えてきた。「三陸だから津波がいつか来るのは分かっていたけど、こういう形で故郷が飲み込まれるとは思っていませんでした。」 3/28から5/3までに渡る2ヶ月間の女川の状況を話した。みなさん熱心に聞いていただけて、とても嬉しかった。

そして津波を身近に感じてもらうために、逗子津波ハザードマップと、鎌倉ハザードマップも用意。

「鎌倉大仏がなぜ青空の下にお座りになっているかご存知ですか?」とみなさんに訪ねた。集まった50名前後のうち、半数が手をあげた。「海岸から800m離れた高徳院にも、高さ12mの津波がき来て、大仏さまがお入りになっていた建物が津波に寄って壊されたからです。それは500年以上前の話ですが。」と私は答えた。下の鎌倉のハザードマップを見ていただきたい。
地域の防災_f0044846_7551358.jpg


この鎌倉ハザードマップは、相模トラフが動いた「関東大地震の再来型(南関東地震)」を想定したものである。逗子の最新版のハザードマップも同様であった。海岸と川の周辺にちょっとだけ色が塗られている程度であるが、海岸の2〜5mというのは、実際にはバカにできない。身長の半分の高さで流されると思っていた方がいい。

一方、鎌倉大仏の津波話であるが、これは「東海地震」によって引き起こされた津波であった。これと同じ津波が起こったら…。つまり、配布されているハザードマップでは役に立たないのだ。大仏のある地点は色分けされている場所からずいぶんと離れているのがわかる。ここに12mの津波が到達しているのであれば、この地図にある地域はほどんと全滅といって間違いない。今回の311どころの騒ぎではないだろう。


本来ならば、2種類の地震と、2種類の津波予想をしなくてはならないのだ。運良く、防災課の方が2名いらっしゃっていたので、それは切実に訴えた。

ハザードマップが怖い本当の理由は、「うちは色が塗られていないから津波は来ないわ」という迷信である。実際に女川でもそうだった。海抜ゼロ〜3m程度の低地/海岸から2〜3kmという場所に住む地域の方は、避難されていなかったケースが多かった(残念ながら亡くなった方が多い)。

東海地震も1000年に一度の規模で起こりえると言われているが、そろそろ東海地震が…という噂も近年聞くので、注意したことにこしたことはない。住んでいる地域に、過去にどんな地震と津波がきたのか…、調べておくことは悪いことではない。
by monchicamera | 2011-07-09 08:15
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