6年前の今日、大好きだった仲間が逝ってしまった。薄汚い雑居ビルからひっそりと飛び降りた。何をそんなに悩んでいたのか、そうなる前に助ける手段はなかったのだろうかと今でも悔やむ。もう一度会いたい…と思い続け、未だに彼の電話番号を消せないでいる自分がいる。
正直、今でも胸が痛む。今回の津波で両親を亡くしたことよりも、友人が自ら死を選んだことの方が、私にとっては辛い。 もし、これが311だったら、もう少しはスムーズに彼の死を受け入れられたかもしれない。 「しょうがないもの…」と自分を納得させただろう。だけど現実は違った。彼が自ら死を選んだのだ。彼に残された選択肢がなぜそれだったのか。最初は、死を選んだ彼の遺志の弱さに失望した。 翌日、病院の遺体安置所に横たわる彼を見つめながら静かに泣いた。苦しい顔でもなく、穏やかに眠っていた。端整な顔立ちがそうさせたのかもしれない。悩み続けた現実から解放され、微笑んでいたようにも見えた。だが私は、衣類に付いた血を見つめながら、彼を追いつめた現実を恨み続けた。隣にはぶっ壊れた携帯電話も置いてあった。数日前だったらその電話へかければ、悩みを聞いてあげることだってできたかもしれないと思った。後悔と失望ーーしばらくは死んだ彼の顔だけが脳裏から離れなかった。 6年前のあの日から、「いまを大事に」と思うようになった。 つまり、チャンスは再度巡ってこない/今という時間を大事にする/家族や友人と過ごす時間を大事にする/今日やろうと思ったことは今日のうちに/一瞬は今しかない/会いたいと思ったらすぐに連絡する…などという考えになった。彼の死が教えてくれたことだ。 死を受け入れること。 遅かれ早かれ、人間にはそれを体験する時期がある。 28歳の私には、簡単なことじゃなかった。 彼の分まで生きていこうと決めたら、少しだけ楽になった。 いまを大事に。生きてこそ意味があるんだ。
by monchicamera
| 2011-10-12 20:33
| 311とその後
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