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支援のあり方

twitter上である事を知りました。「他県の写真館さんが、女川で七五三無料撮影会を今週末行っている」とのことでした。

支援する側は純粋に「被災地の役に立ちたい」と思って来ているし、そういう気持ちはとてもありがたいと思います。

が、私は賛成できません。

その理由を述べます。
  1.地元の商売を横取りしかねない(女川には写真館がもう1軒ある)
  2.無料で行うと地元経済を停滞させてしまう
  3.無料なので被災者の自立にはつながらない(義援金だって支給されているのに!)


私が11/5.6の2日間、女川で七五三の撮影会をして感じた事は、「お客さんにもプライドがある」ということです。いつまでも被災地ではないのです。

だから私は無料ではなく、きちんと撮影代金をいただきました。2カット1万円(衣装、着付付き)という、写真館業界では破格かもしれませんが、今の女川の人たちにとって「ちょっとした贅沢」であり、「お金を払ってサービスを受けたい方が来る」で良いと私は考えました。写真館で撮るということは、平等に配られるべき日用品とは違うんです。震災に関係なく、記念撮影に来る方と来ない方に分かれます。生活必需品ではありませんので、お金に余裕のある人が楽しむ贅沢品で良いと思うんです。それを今回は良心的な価格に設定し、なるべく希望する多くの方が来れるようにと私は考えました。実際には「こんなに安くていいの?」と多めに代金を用意して来たお客さんもいらっしゃいました。

また、美容着付には地元の美容師さんと連携し、きちんとした関係が保てたと思っております。地元の美容師さんを知らない世代のママ達にも、こうした形で紹介できるし、次のステップとしてはこの美容師さんの顧客になることだってありえるんです。こうやって地元の環を繋いで行くのが「支援」の1つだと思うのです。


それを何もかも「持ち込み」で女川に来られたのでは、どうなるでしょうか。その時は良いでしょうけど、長い目で見た時に果たして女川の復興に役立っているのでしょうか。

では、支援する側はどうすればよいのか。
(あくまでも私個人の意見ですが…)
  1.支援する地域の市場調査をする(商店街に挨拶にいくとか)
  2.ボランティアセンターは役所仕事なので当てにしない 
  3.地元の業者と「連携」し「協力」してもらう。
  4.地元業者ができない部分を手助けする存在でいてほしい
  5.メインはお客さんと地元業者であり、外側の人間はメインであってはならない。支援者はあくまでも「サポート役」でしかない。
  6.己の自己満足であってはならない


震災から9ヶ月が経とうとしています。
現実には、まだまだ不自由な部分もありますが、少しずつ被災地の人々は歩み出しています。支援に答えはありません。支援する側もされる側も、みんなが暗中模索ではあると思います。「支援に来るな」と言っているのではありません。もう少し地元の将来を考えていただけると何よりです。

私の友人である、かまぼこやさん『高政』さんが「地買地消 」というテーマで書いておられます。よかったらこちらも読んでいただけると幸いです。

そして自らも被災しながら女川の住民への支援を個人的に続けているご夫婦REAL eYEのブログも紹介させていただきます。
by monchicamera | 2011-12-03 17:59 | 311とその後
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