一番南に位置するのが塚浜(つかはま)と小屋取(こやどり)である。すぐ後ろに見えるのは女川原発。とても不思議な空間である。こうして見ると、予定よりも10m高い位置に建設されたのがよく分かる。
小屋取には小学校時代に一緒に習字を習っていたお友達が数名住んでおり、夏休みにも泊まりに来た事がある。家の目の前に小さな漁港と小さなビーチがあり、毎日泳いだ記憶がある。水着に着替え、海に向かって坂を降り、好きなだけ遊んでいると、近所の人がジュースをくれたりした。そして濡れた水着のまま坂を駆け上がり家に行くのである。女川の町の中心部は漁港だけなので、海が目の前なのに泳げる所はなかったため、小屋取のこうした夏の生活はとても豊かに思えた。砂浜を歩き、当時を思い出した。あの時の友達はみんな元気だろうか。
小屋取は他の浜と比べ、津波の被害が大きくなかったような印象だ。もちろん被害はゼロではないが、高台の住宅が残っていることに感動した。